2018年 9月
事業承継税制③贈与税の納税猶予
では、具体的に贈与税の納税猶予の流れを見ていきます。
まずは、各都道府県へ
【特例承継の策定申請】を提出します。
(会社が計画を作成、認定支援機関が所見を記載し、平成35年3月31日までに提出。
平成35年3月31日までの贈与については贈与後の提出も可能です。)
その後、贈与の実行をなさった後、贈与の翌年1月15日までに
【円滑化法の認定申請】を申請します。(特例承継計画を添付します)
税務署へは、
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに
【贈与税の申告】を行います。(認定書の写しを添付、担保の提供が必要)
贈与税の申告期限後5年間は
県知事へ『年次報告書』を
税務署へ『継続届出書』を
年に一度提出が必要となります。
(各種申請要件を維持)
経営承継期間経過後は、
税務署へ『継続届出書』を3年に一度提出が必要となります。
(上記同様申請要件を維持)
また、贈与税の納税猶予の要件は以下の通りですので、ご確認くださいませ。
- 会社の要件
中小企業者であること、資産保有会社等でないこと、非上場会社であること、正規従業員が1名いること 等
- 先代経営者の要件
贈与時までに代表を退任すること、株式を同族関係者含めて50%超保有していたこと、筆頭株主であったこと、贈与時に保有する自社株式を一定数以上一括して贈与すること(発行済議決権株式数×2/3-後継者保有株式数>先代経営者保有株式数 の場合はすべての株式、発行済議決権株式数×2/3-後継者≦先代経営者保有株式数 の場合は、後継者の贈与後議決権割合が2/3以上になる株式)
- 後継者の要件
贈与時において代表者であること、株式を同族関係者含めて50%超保有していること、筆頭株主であること、贈与時点で20歳以上かつ3年以上継続して役員であること、後継者が複数の場合、10%以上の議決権を有すること・贈与者が有する議決権を上回ること・後継者以外の同族株主が有する議決権を下回らないこと、後継者全員が代表者になること
事業承継制度②
以前のブログで事業承継税制の状況を掲載させていただきました。
具体的に、今一度確認のため平成30年税制改正ポイントを
今回は取り上げていきます。
従来の事業承継税制には以下のような制限に問題点がありました。
- 雇用確保要件5年平均80%維持
- 適用対象株式3分の2の制限(相続の場合、限度数3分の2に加え、税額80%減額のため、実質53%減額(47%課税))
- 後継者の制限が一社につき1人
等があげられます。
それをふまえ、以下のように改正されます。
- 雇用確保要件 →実質撤廃
- 適用対象株式の制限 →全株式
- 後継者制限 →複数の株主から最大3人の後継者
その他、出先機関が各地の経済産業局から都道府県の担当課へ変更、
承認計画書の提出が必要となっております。
詳しくは、下記の中小企業庁が公表しております改正の概要を
ご覧いただければ、わかりやすく図解で説明されておりますのでご参考くださいませ。
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2018/180402shoukeizeisei.htm